初めまして、ねこまたぎです



それはもう どでかい声で
「 みてみてーーーーっ♪ これね お母さんが作ってくれたのーーーーっ 」
商店街の八百屋さんの前で、小さな女の子がわめいている場面に出くわしました。
お母さんとつないだ手をぶんぶん振り回して上機嫌です。
「 ほら、すごーく かわいいでしょうっ!! ちゃんと見てっ 」
お母さん渾身の作品。通園バッグを自慢したくて八百屋のおばちゃんに 見せびらかしています。



「 どれどれ もっとよく見せておくれよ♪ 」
八百屋のおばちゃん、前掛けで手をふきふきしゃがみこみ、ためつすがめつ眺めまわし、
これまたでっかい声で
「 すごく かわいいねっ♪ ミコちゃんにとぉっても 似合ってるよ^^」
「 お母さんは、魔法使いだったんだね♪ 」
「 おばちゃんも そんな魔法のバッグがほしいから おなすと交換しておくれよっ♪ 」
女の子の頭をなでまわしたのでした。
「 おなすと交換はいやだよぉ 」



おばちゃんの誉め言葉に大満足の女の子はげたげたと笑い転げ、大切そうにバッグを抱きしめてぴょんぴょん飛び跳ねましたの。
カラのお弁当箱やお道具が カタカタと鳴って、
「 カスタネットの 音だよぉーーーっ♪ 」
その思い付きがこれまた面白くなっちゃって、得意満面さらに飛び跳ね 大騒ぎ。
というわけで通りすがりの人々の注目の的となったのでした。



お母さんは、ねぎを片手に顔を真っ赤にして下を向いておいでです。
小さな声で女の子をたしなめ、もう泣きそうになっていましてね。
燦然と輝くキルティングのピンクの通園バッグを隠そうとします。
隠し立てされると、ますます見たくなるもんでしょう。



通りすがりのねこまたぎ。よく見える角度にじわじわ移動しまして、じっくり観察いたしました。
摩訶不思議なウサギっぽい生き物と 赤い何かの木の実のアップリケ。
なるほど、隠したくなる気持ちもわかる納得の出来栄えです。
嬉しくなっちゃって、もっとよく見ようと回り込む、ねこまたぎのその図々しさは、さておき。
よくよく眺めてまわして、、、撃沈ねこまたぎ。
そのハンドメイド執念に思わず唸ってしまいました。



どうみても、やっぱりかなり不器用な出来栄え。
それなのに、見れば見るほど胸がいっぱいになってくるありえない仕組みです。
あっけらかんとした不思議なやさしさとか、ほわっとした夢のような色合いとか。。。
何でしょうかね?じぃぃん と しびれてくるんです。
苦心惨憺。丁寧な努力の跡がしっかり残るぶこついバッグの何度も縫い直した跡をそこここに発見するたび、ドキドキするねこまたぎです。
ピュアで自由で元気いっぱい。めちゃくちゃ愛らしい。
元気な女の子に 大変よく似合っているのです。



「 あたしの娘をみて~っ とっても かわいいでしょぉーーーーーっ 」
恥ずかしがっているお母さんの タマシイの雄たけびまで、聞こえてくるんですね。
このトンチキな通園バッグを見るだけで、お母さんの気持ちと女の子のヨロコビが、惜しげもなくあふれ出てくるんだから、もうもう撃沈でございます~
うらやましいやら、妬ましいやら、うれしいやら、そのパワーに押され、
訳の分からん感情が駆け巡り、商店街の柱の陰に退避したねこまたぎ。



テクニックとかワザとか知識とか素材の良し悪しなんか、そんなこたー関係ない。
ブランドバッグなんか 簡単に凌駕しちゃって、謎の生き物のアップリケの前でひれ伏すのであります。
その人にしか作れない。 得体のしれないタマシイのパワー「異次元の名品」てのはコレのことなのよ。
それはもう、再現性ゼロ。。。絶対まねなんかできない一点物です。
ああ、あたしもそんなヨロコビ飛び跳ねるような超絶クラスの お品 作ってみたいっ!!!!
心の底から思いましたけどね。
こればっかりは頑張ったって、真似なんかできるもんじゃないんだなぁ。



本日もおまたぎいただき感謝です♪
みにゃみにゃ様の健康と幸福を願って♪

応援いただき感謝です^^
コメント